9.問わず語り
二杯目の紅茶に 角砂糖
クルクルまわせば 想い出す
あいつと初めて出逢ったのも
淋しがりやのカフェテラス
都会の片隅 ひっそりと 小さな灯りがともったね
あいつは場末の弾き語り
私は踊り子よ アンドゥトヮ
絵になる二人と笑っては
肩をよせあう 裏通り
心をひとつに重ねれば 冷たいベッドもあたたかい
暮らしに決まりがあるじゃなし
風に吹かれて 西東
うれない歌でも 熱くなる
あいつの横顔 好きだった
出来れば二人で その夢を 愛想つくまで見たかった
二人でよく来た この店も
今じゃすっかり樣変わり
ラジオがかなでるメロディも
時の流れを 映すけど
今でもかすれたうた声が 心のどこかで 聞こえてる
あいつが愛した あの歌を 今日は私が歌おうか
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